導入
これまで約80社、7,800件以上の新規事業を支援してきた株式会社アルファドライブ(AlphaDrive)では、毎月オンラインセミナーで新規事業開発に関するノウハウや知識を紹介しています。
こちらの記事では、AlphaDriveの執行役員兼イノベーション事業部 事業部長の古川央士が、新規事業開発に欠かせない「顧客と顧客課題の見つけ方」について基礎から解説します。
記事内トピック
- そもそも、事業アイデアとは何か?
- 事業とは? 顧客は何に対価を払うのか
- 事業アイデアを見つけたかったら、顧客に会いに行くべき
- 顧客課題を見つけるための、3つのステップ
- 具体的な顧客を決める方法は?
- 顧客の課題を見つけるには
こんな方におすすめ
- 新規事業創出に当事者として取り組み始めた方
- 新規事業創出に挑戦したいと検討されている方
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1.そもそも、事業アイデアとは何か?
そもそも「事業アイデア」とは、どういったものを指すのでしょうか。
このような問いに対して多くの人は、頭の中にある具体的なビジネスモデル、サービスやソリューション、活用したいテクノロジーのアイデアなどについて語ります。
もちろんこれらは事業アイデアの一部ではありますが、大事なポイントが欠けています。
まずは事業アイデアを正しく理解するために、「あるあるな事業アイデア」の例を用いて説明したいと思います。
例えば、大手食品メーカーが新しいビジネス領域の開拓を検討しているとしましょう。社内では以下のような分析と新規事業の提案がありました。
私自身、新規事業開発の支援をさせていただきながらこのような事業提案を何度も見てきました。一見、「それっぽい」事業提案に見えますよね。
「自社の置かれている環境」と「市場の分析」がはじめにまとめられており、その次に活用したい「自社のアセット」について触れられています。
そのうえでサブスクリプション型の新しい「ビジネスモデル」を提案し、最後には新事業が「スケールする可能性」も示しています。
この提案を分解し、構成を見るとこうなります。
他にも「マーケティング・チャネル」や「競争優位性」など、さまざまな要素が事業提案に盛り込まれることが多いと思います。
いずれも重要な観点になりますが、ここには事業アイデアにとって一番重要なポイントが抜けています。
それは「顧客と課題」です。
このサービスを使いたい、商品を手に取りたいと思うお客様がどんな人で、どんな課題を抱えているのかが明記されていません。お客様がこの商品を求めている背景の描写もない。AlphaDriveではこういった事業アイデアを「顧客不在」と呼んでいます。「顧客不在」は新規事業開発の初期フェーズで人々がもっともはまりやすい罠です。
2.「事業」とは? 顧客は何に対価を払うのか
では、事業アイデアのあるべき姿を理解するために、まずは「事業」とは何かについて考えてみましょう。「事業」を辞書やネットで調べると「商品やサービス、組織等を手段として収益を創出する活動」などと説明されています。ポイントは「事業は収益を創出する活動である」という部分です。
誰しも事業開発の初期段階では、思いついたアイデアが収益を生み出すことができるかどうかについて考えるでしょう。
ここで忘れてはならないのは、収益をもたらしてくれる人は「顧客」だということです。
皆さんの商品やサービスをまったく欲していない人が突然お金を払ってくれるなんてことはありえませんよね。
顧客が抱いている課題が皆さんの商品を購入することで解決される場合、顧客は初めてお金を払い、最終的に、その支払われたお金が皆さんの事業の収益となります。
もし顧客課題について考えないまま商品を作ってしまったら、売れないという最悪な事態が起きてしまいます。
大変な思いをしながら一生懸命商品を作った後に、投資回収ができず慌てふためいても手遅れなのです。
つまり、事業とは「顧客課題の解決によって収益を得ること」なのです。顧客と課題こそが事業が生まれる種(アイデア)だと言っても過言ではありません。
3.事業アイデアを見つけるには、顧客に会いに行き、課題を見つけよう
事業アイデアは、「マーケットイン」と「プロダクトアウト」の2つの方法で見つけることができます。
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