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社内ベンチャーの存在意義は?成功事例や失敗要因、会社と社員がすべき準備と心構え

社内ベンチャーは収益チャネルや売上を増やすだけでなく、「変化に強い組織」をつくるためにも重要です。ただ、社内ベンチャーは多産多死であり、新規事業にはリスクもともないます。本記事では社内ベンチャーの事例から成功要因と失敗要因を紐解き、会社側と起案者(社員)側、それぞれが意識すべきことも紹介します。まずは社内ベンチャーについて理解を深め、たくさんの事例に触れてみることから始めましょう。

そもそも社内ベンチャーとは?

社内ベンチャーとは会社内にいながら、まるで起業するようなイメージで新規事業を起こすことです。社内ベンチャーでは社員から新規事業のアイデアを募るのが一般的ですし、事業を立ち上げたり進めたりするのも、アイデアの起案者である社員です。「会社に雇われている」という点を除き、ベンチャー企業やスタートアップを立ち上げることと大きな違いはないかもしれません。

現代の日本社会において、社内ベンチャーを立ち上げる意義

社内ベンチャーを立ち上げることは、企業にとっても、起案者となる社員にとっても意義のあることです。何より現代の日本社会には、ゼロから起業するよりも、社内ベンチャーを立ち上げることが合っているかもしれません。

「イノベーションの多い先進国」として名前が挙がるのは、アメリカや中国でしょう。アメリカでは個人がゼロから起こした企業で、中国では主に政府主導で、それぞれ多くのイノベーションが生まれています。

しかし、日本ではアメリカのように雇用が流動的ではありませんし、中国のように政府主導で次々とイノベーションを起こすこともまだ現実的とはいえません。
労働者が法律により守られ、企業主導で経済を成長させてきた日本では、イノベーションを起こす主体は企業なのです。また、社会に深く根を張ったシステムを変革し、大きなイノベーションを起こそうとするなら、日本ではベンチャーよりも、信用力が高く、多様なアセットを擁する大企業が圧倒的に有利でしょう。

社員の雇用や権利が守られていること、信用力が重視されることから、日本は実は「社内起業に適した環境」といえます。そんな日本で社内ベンチャーを立ち上げることは、「新たな収益チャネルの確保」「人材育成」「企業の体質改善」などの多様な意義があります。

複数の収益チャネルを確保する意義

社内ベンチャーを立ち上げ、それを事業として成長させられれば、企業は「既存事業以外の収益源」を得られます。変化のスピードが速い現代において、既存事業のみに依存するのはリスキーです。社会情勢の変化や破壊的イノベーションにより、既存事業の市場が崩壊してしまうかもしれません。

社内ベンチャーで多彩な事業を産み育て、複数の収益チャネルを確保しておけば、このような事態に損失を受けることはあっても、リスクを減らすことができるでしょう。

経営者視点を持った人材を育成する意義

社内ベンチャーの立ち上げや推進を通して、経営者視点をもった人材を育成できます。新規事業のアイデアを出し、それを事業として認めてもらうために審査員や経営層を説得し、顧客の声を聞きながら実際に事業として立ち上げ、メンバーを集めながら数字を背負い、事業を推進するといった経験は、普段の業務ではなかなかできません。

新規事業チームのメンバーはさまざまな困難にぶつかり、それを乗り越えていくことで、ビジネスパーソンとしてタフになり、一社員としては養いにくい経営目線を養うことができるでしょう。このような人材を育て、増やしていくことも、変化のj激しい時代を生き抜くために欠かせないことです。

古い体制に風穴を開け、空気の入れ替えをする意義

経営者視点をもつ人材が増え、社内ベンチャーに対して積極的な社員が増えれば、組織の足かせとなっていた「古い体制」や旧態依然としたカルチャーが少しずつ崩れていくでしょう。悪しき体制に風穴を開ける意義が、社内ベンチャーにはあります。

社内ベンチャーの推進によるカルチャー変革が実現すれば、既存事業の大部分が立ちゆかなくなっても、社会の課題や顧客のインサイトをとらえ、新しい時代に合ったビジネスを展開できるはずです。

社内ベンチャーには、「ゼロからの起業」にはないメリットがある

社内ベンチャーを立ち上げることは、企業にとっても社員にとっても、ゼロからの起業にはないメリットがあります。これらのメリットは日本という社会、現代という時代を生き抜くうえで、強力な武器となります。

企業にとって、社内ベンチャーには「変化に強い組織」をつくれるというメリットがあります。複数の収益チャネルがあれば、既存事業にダメージがあっても、ほかの事業で耐え凌ぐことができます。

いくつもの社内ベンチャーを立ち上げた経験からは、社会や顧客が求めているものを見抜き、それに応える力が培われているでしょう。複数チャネルによる収益で苦境に耐えながらチャンスをうかがい、時代に合った方法で巻き返しを図る「タフさ」と「適応力」が、社内ベンチャーの盛んな企業にはあります。

社内ベンチャーの起案者(社員)にとって、社内起業には「低リスク」「自社という後ろ盾がある」などのメリットがあります。独立して自分で会社を起こすことには、それなりのリスクがあります。事業が失敗し、撤退することとなれば、職を失うことになるでしょう。融資を受けた状態で廃業することになれば、起業家個人に負債がのしかかるかもしれません。

社内起業なら、新規事業から撤退することになっても、職を失ったり負債を負ったりすることはありません。雇用は守られ、社外から融資を受けていても、それは会社の負債であり起案者個人の負債ではありません。

自社の設備や人材、信用力も、事業を拡大するうえで強力な武器となるでしょう。リスクの面でもリソースの面でも、自社という後ろ盾があることは大きなメリットといえます。

社内ベンチャーは多産多死…。デメリットを理解し、対策を

社内ベンチャーは多産多死です。「1,000個の新規事業があっても、成功するのは3つだけ」という意味の、「せんみつ」という言葉もあります。
新規事業を立ち上げることにはデメリットやリスクもあります。これらを理解し、適切な対策を取ることも、社内ベンチャーにおいて重要です。

企業にとって社内ベンチャーを立ち上げることのデメリットといえば、やはり「リスクがあること」でしょう。新規事業はスモールスタートが基本ですが、それでも時間と労力、そして資金が必要です。社員を既存事業から剥がし、新規事業に従事させることで既存事業側人員が削減されます。

採択されたアイデアを新規事業として立ち上げたり、既存事業と同じだけの規模に成長させたりするには、時間とコストがかかります。成功よりも失敗の方が多いでしょうし、投じたコストを回収できないことも珍しくありません。

社内ベンチャーは低リスクで、自社のリソースを活用できるため、独立起業と比べてスムーズに事業を拡大できるでしょう。しかし、「自由度」という観点で考えるなら、ゼロから起業した方がいいかもしれません。

社内ベンチャーとして立ち上げる以上、自社の経営層や新規事業開発部門を説得しなければなりません。新規事業コンテストや社内稟議をクリアするために、不本意な方向転換を加えざるを得ないこともあるでしょう。
独立起業でも投資家の意向には沿わなければなりませんが、出資を受けない、上場しないという多様な選択肢から選べる自由さはあります。

社内ベンチャーの成功事例とその要因

社内ベンチャーの成功事例からは、新規事業を立ち上げ育てていくために何が必要なのか、その勘所を学び取ることができます。ここではNTTドコモの「dヘルスケア」の事例をもとに、社内ベンチャーの成功要因を探っていきます。

NTTドコモの圧倒的なアセットを活かして成長したのが、健康管理を楽しむアプリ「dヘルスケア」です。歩数や体重を記録していくと抽選でdポイントがもらえるシステム、健康に関するコンテンツの提供、実名の医師へのチャット相談などが人気となり、1000万ダウンロードを超えました(2022年1月現在)。

dヘルスケアのターゲット層は、「ジムに行くのは面倒だけど、健康は少し気になる」というライトな層です。毎日楽しみながら、少しずつ健康を増進していけるように、日々サービスを改善しているといいます。

大企業の新規事業開発の強みは「自社のアセットを活用できること」ですが、大企業のアセットを、結果が出るかわからない新規事業に投入するにはさまざまな壁が立ちはだかります。dヘルスケアの担当者が2021年9月に開かれたAlphaDriveのセミナーで語ったところによると、アセット連携のために社内のキーパーソンに想いを伝えにいったり、他部署にどんなメリットを生めるか考えたりと、草の根活動も多かったといいます。

dヘルスケアのターゲットであるライト層にとっての使いやすさ、楽しさを追求したことが、1000万ダウンロード超という人気の理由でしょう。

「dヘルスケア」事業の立ち上げからグロースを推進した担当者によると、驚異的な成長を遂げた理由は、ユーザーの継続率やレビューの内容を分析し、改善点や伸ばすべき部分を見つけたこと。競合サービスを、リテンションや評価面などのあらゆる観点から研究し、dヘルスケアに持ち帰れる点はないか探したこと。そしてこれらをチームで常に議論し続けてきたことで、ユーザーに飽きられることなく、使い続けてもらえているのだろうといいます。

新規事業ではユーザーの声をなるべく多く集め、彼らが何を求め、何に困っているのかを理解することが大切です。ユーザーは常に本音を話してくれるとは限らないため、分析や議論により、隠されたインサイトを見つける姿勢も欠かせません。

社会の課題やトレンドをうまく取り入れたことも、dヘルスケアの成功要因でしょう。厚生労働省が平成26年度に出した厚生労働白書「健康意識に関する調査」によると、約半数の人は健康のために何もしていない「健康無関心層」であることがわかります。

しかし、医療費の高騰による赤字財政は深刻です。多くの人が健康に関心を持っていない中、人々の健康行動は促進していかなければならないという、社会的な課題があります。この課題に正面から向き合ったのもdヘルスケアの成功要因でしょう。

加えて、dポイントが貯まるという要素により、「ポイ活」のトレンドに乗ることもできました。社会の課題やトレンドを読み取り、それを自社のアセットと結び付けたことも、社内起業という観点から見て重要です。

担当者によると、dヘルスケアに社内のアセットを活用するにあたり、「他部署に対するGive」を積み重ねたことも大きかったといいます。担当者は用事もないのに他部署に行脚し、ユーザーインタビューさながらに、その部署が困っていることをヒアリングしたそうです。

他部署がどんなことに困っているのか、何を解決したいのかを理解していたからこそ、「dヘルスケアをどう活用すれば、他部署にメリットをもたらせるか」を考えられたといいます。
会社のアセットをただ使わせてもらおうとするのではなく、先に自分たちから相手に何かを提供する。それをくり返すことで社内に味方が増え、いざというとき協力してもらえる。この流れを大切にしたからこそ、dヘルスケアはドコモのアセットを活用でき、既存事業とのシナジー効果も高まったといいます。

社内ベンチャーの失敗事例とその要因

人は成功よりも、失敗から多くを学びとるものです。新規事業におけるよくある失敗を事例から見つけ、「何が失敗につながるのか」「何をしてはいけないのか」を知っておくことも大切です。

ここでは三井物産グループのベンチャースタジオ「Moon」で新規事業を立ち上げた担当者が2022年3月に開かれたAlphaDriveのセミナーで語った話から、失敗を避けるために意識していたことや、よくある失敗要因を紐解いていきます。

三井物産グループのベンチャースタジオ「Moon」からは、さまざまな社内ベンチャーが生まれています。Moonから生まれた社内ベンチャーのひとつ「Suup」は会社員やフリーランスなど、さまざまな人のリモートワークを応援するアプリです。近場のワークプレイスをアプリから検索・予約できるアプリで、空き物件を活用した「ローカルなワークプレイス」の設置にも取り組んでいます。

Suupの事業自体は順調に進んでいますが、ときには失敗することもあったといいます。担当者が過去や他社の失敗を踏まえ、特に意識しているのが「仮説検証を高速でまわすこと」です。社内ベンチャーにしろゼロからの起業にしろ、事業の初期の段階で解決策のアイデアに対して大きな予算を投じた開発や本格的な作り込みは不要です。事業内容は仮説検証の過程で大きく変わることがしばしばあり、その際に「後戻り」が大きくなります。限られた時間と予算の中で検討している社内ベンチャーにおいて、その後戻りと資金の枯渇は時間切れや検討中止を意味します。

また、「時期尚早のスケーリング」も、社内ベンチャーが陥りやすい失敗だといいます。資金が潤沢にあることは社内ベンチャーの強みですが、お金が使えるからこそ、成長性に説得力がなくても予算が取れてしまうこともあります。

リピート率が低いにもかかわらず広告費をかけたり、CAC(カスタマーアクイジションコスト、顧客獲得に要した営業・マーケティングのトータルコスト)がLTV(ライフタイムバリュー、顧客から生涯にわたって得られる価値)を上回っているのにマーケティングを強化したりするのは、自殺行為とすらいえるでしょう。

時期尚早のスケーリングの背後に隠れているのが、「会社からの、行き過ぎたマネジメント」です。スケーリングの話に限らず、会社側からの行き過ぎたマネジメントは、社内ベンチャーの強みを殺してしまいます。

先ほどのSuupの話からも、会社側が「以前はうまくいっていると言っていたのに、話が違う」と急かすことで、スケーリングや仮説検証を焦ってしまうことがあるとわかります。事業の起案者とはいえ、その人は会社に雇われている身です。会社に急げと言われたら、急ぐ他ないのです。

もちろん、何でも時間をかければいいというわけではありませんが、状況をきちんと把握せずにプレッシャーをかけるのは良くありません。ほかにも「裁量権を与えない」「既存事業と同じ感覚でフィードバックする」などは、よくある失敗要因といえます。

社内ベンチャーと社外ベンチャーの最大の違いは、「後ろ盾があるか、ないか」でしょう。信用力も資金もある自社からの後ろ盾は、基本的に、社内ベンチャーにおいて協力な武器になります。しかし、後ろ盾があることで、悪い意味での安心感も生まれます。

社内ベンチャーでは、新規事業が撤退することになっても、メンバーがクビになることはありません。失敗をしてもメンバー個人の生活は揺らがないため、「この事業にかける」という覚悟はなかなか決ま理にくいかもしれません。

また、Suup担当者が話していた「事業に説得力がないのに、予算が取れすぎてしまうこともある」というのも考え物です。説得力がない、つまり投資を回収できる見込みが低い状態で予算が取れてしまい、お金をかけすぎてしまうと、方向転換がしづらくなります。自社のリソースを活かして事業をつくり込みたくなりますが、新規事業はさまざまな可能性を模索しながら進めていくものであると理解し、つくり込みすぎないように心がけたいものです。

社内ベンチャーを成功させるためにも、その過程でより良い企業文化を醸成するためにも、会社側は「失敗に寛容な姿勢」を示すべきでしょう。新規事業のチームメンバーはさまざまな困難にぶつかり、それを乗り越えて成長していきます。ときには大きな失敗もあるでしょう。責めたくなる気持ち、再発を防ぐために指導したくなる気持ちは、あって当たり前のものです。

しかし、失敗を責めすぎてはいけません。新規事業に失敗はつきものであり、人は成功よりも失敗から、多くを学びとるからです。社内ベンチャーにより得られる恩恵のひとつに、「経営者視点をもつ優秀な人材の育成」があります。

失敗を認めない風土や雰囲気があると、メンバーは萎縮し、本来のポテンシャルを発揮できなくなってしまいます。萎縮して思考力が鈍ってしまうと、失敗から学ぶことも少なくなるでしょう。後悔させるのではなく反省を促し、失敗からより多くのことを学びとってもらうべきです。

社内ベンチャーを育成するために、企業がすべきこと

社内ベンチャーを育成するために会社側がすべきことの中でも、「制度」と「雰囲気」をつくることは重要です。新規事業をスムーズに進められる制度づくり、社員たちが新規事業に興味を持ち、積極的にアイデアを出したり協力したりできる雰囲気づくりには、組織の上層部が率先して取り組まなければなりません。

新規事業をスムーズに進めるためにも、メンバーの主体性を育むためにも、社内ベンチャーを独立した組織として認めることは大切です。独立組織として機能するよう、会社としての機能と裁量を与えましょう。

社内ベンチャーは会社内でスタートアップを起こすようなものです。ライバルも社外のベンチャー企業やスタートアップであり、スピードで勝負が決まることもあります。十分な機能と裁量を与えておかなければ、ライバル企業に置いていかれてしまうでしょう。

社内ベンチャーの強みは、「自社のアセットを活用できること」にあります。適切なタイミングで必要なアセットを提供するために、制度を整え、社内外のステークホルダーとコミュニケーションが取りやすい環境をつくりましょう。

新規事業が軌道に乗るまでは、メンバーの専任化は避けた方が無難です。既存事業と兼業で進めていれば、他部署とのコミュニケーションも取りやすいですし、撤退による人事の混乱も避けられます。

必要なアセットをスムーズに活用できるよう、決裁権限は「新規事業開発役員」や「新規事業開発部長」などの個人に降ろしておくべきでしょう。権限が組織や会議体にあると、決裁が下りるまでに時間がかかってしまいます。

社内ベンチャーは経営者目線をもつ人材を育てるうえでも有効です。「よくある失敗要因」として先述したように、失敗に寛容な姿勢を示し、社員が失敗から学ぶ文化を醸成していきましょう。

これは、新規事業に限った話ではありません。既存事業に取り組む各部署でも、失敗を恐れずチャレンジした社員を賞賛したり、失敗から多くを学びとれるよう指導の方針を変えたり、さまざまな工夫ができます。

社内ベンチャーを成功させるために、社員がすべきこと

社内ベンチャーを成功させるためには、会社側のサポートが欠かせません。しかし、新規事業を立ち上げ成長させていくのは、会社ではなく一人ひとりの社員です。社内ベンチャーに興味があるなら、会社が制度を整えてくれるのを待つのではなく、自らできる小さな取り組みから始めてみましょう。

新規事業のアイデアを探したり、社内ベンチャーを立ち上げた後のイメージを膨らませたり、会社側への提案を準備したりと、今日から始められることはたくさんあります。

多くの社内ベンチャーは、社会的な課題の解決を目指してスタートします。社会にどんな課題があるのかを知らずして、新規事業として成立するようなアイデアも生み出せないでしょう。

まずは、社会の課題に直接触れてみることが大切です。インターネットやニュースから、「今、世の中にはどんな課題があるのか」を調べ、少しでも興味を持てるものがないか探してみましょう。興味の持てる課題が見つかったら、その課題が起こっている現場を訪ね、そこに生きる人たちから話を聞いてみてください。
現場を実際に訪ね、困っている人々の姿を見て話を直に聞くことで、対岸の火事に過ぎなかった課題が「自分ごと」へと変わっていくでしょう。

現場を訪ねることは、ミクロな視点で社会の課題に触れてみることです。ミクロな視点から課題を見つめた後は、その課題が社会全体にどんな影響を及ぼしているのか、課題解決の最前線にはどんな人たちがいるのか、マクロな視点で俯瞰することも欠かせません。

社内ベンチャーでは、チームを組んで新規事業を立ち上げ、育てていくことになるでしょう。新規事業の初期チームは、「マンパワー」「コミュニケーションスピード」「チームレジリエンス」(困難な状況への適応力)の観点から、2人もしくは3人で構成するのがベターです。

新規事業を起こした後のことを考え、自分に加えあと2人、どんなメンバーでチームを組むか考えてみてください。「こんなチームを組んで、こんな風に動いて…」とイメージを膨らませてみましょう。新規事業のアイデアを考えるにも、採択されたアイデアを事業として立ち上げるにも、社内ベンチャーにはかなりの時間と労力がかかります。その過程で、何度も挫けそうになることでしょう。

挫けそうなときに自分を支えてくれるのは「熱量のある仲間」です。まずはどんなメンバーを集め、チームでどう動くのかを自由に「妄想」してみましょう。

まずはたくさんの事例に触れ、社内ベンチャーを身近な存在に変えていこう

社内ベンチャーが活発になるほど、組織も、そこで働く人材も強くなっていきます。変化が多く不安定な現代において、社内ベンチャーを通して収益チャネルを増やすこと、変化に強い組織をつくることは欠かせません。

日本企業における新規事業立ち上げは、今こそ盛り上がってきています。企業にとってもそこで働く社員にとっても、社内ベンチャーという選択肢は必須のものになってきています。
新規事業について具体的に考える前に、まずはたくさんの事例に触れ、社内ベンチャーを身近な存在へと変えていきましょう。多くの事例に触れるうちに、社内ベンチャーにより何が得られるのか、成功要因や失敗要因には何があるのかも見えてくるでしょう。

筆者について

佐伯 真之介

マネージングディレクター

慶應義塾大学 商学部卒。ソフトバンク株式会社に新卒入社。法人営業を経験した後、新規事業開発部として投資先企業サービスのローカライズや国内外大手メーカーとの共創による新規事業創出及び国内での立ち上げを経験。 企業内新規事業立ち上げに向けた企画立案及びビジネスモデルの構築・検証、セールスの戦略策定・実行等に従事し、ジョイントベンチャー設立プロジェクトを担当。大企業における事業開発の難しさや可能性に触れるなかで、自身と同じように悩める企業内新規事業家を応援したいとの思いから2021年4月、株式会社アルファドライブに入社。大手金融機関や飲料・ヘルスケアメーカーを中心に、グループ横断の大規模な新規事業開発及び組織変革に携わる。

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