トヨタ自動車株式会社では2020年から、社内向けの課題解決型の新規事業創出プログラムに株式会社アルファドライブ(AlphaDrive)の新規事業開発制度設計支援と事業開発プロセス伴走支援を導入しています。
トヨタ自動車はなぜ社会課題の「現場」に着目したのでしょうか。「社内新規事業提案制度B-PROJECT 社会課題DeepDiveコース」の全容と、AlphaDriveの伴走支援、メンタリングの特徴とは。プログラム参加者の思いや発見、社内に起き始めた「変化」にも迫ります。
藤本 公介 様
先進技術開発カンパニー 先進プロジェクト推進部 AD-ZERO プロジェクト創生グループ長
藤原 隆史 様
先進技術開発カンパニー 先進プロジェクト推進部 AD-ZERO プロジェクト創生グループ 主任
中川 拓也(プログラム参加者) 様
TCボデー設計部 第2ボデー設計室 主任
土井 雄介
株式会社ユニッジ Co-CEO AlphaDrive東海 拠点長
導入の狙い
増え続ける社会課題の本質を理解し、解決に取り組むための事業の種を生み出したい。次世代リーダーに必要な行動力や当事者意識、仲間との連携といった「人間力」を身につけた人材を育成したい。
「顧客不在」の葛藤から生まれた新プログラム
藤原様:
元々、別の新規事業の制度を運営していましたが、顧客不在のアイデアが多いと感じていました。もっと当事者意識を持って課題解決に取り組みたいと思ったのがきっかけです。社会課題の解決に繋がるようなテーマを生み出し、課題の現場に出向いて行って、自ら課題の本質を体感し理解してほしいというところが根本にありました。そこで2020年から、AlphaDriveさんと一緒に「社会課題DeepDiveコース」を立ち上げました。
藤本様:
ちょうどこのプログラムを構想している時に土井さんと出会ったんですよね。
土井様:
私がトヨタからAlphaDriveに出向している時期で、意気投合しましたね。もともと私はそれ以前に新規事業制度の最終通過者として事業化を目指していたのですが、やはり顧客不在に陥ったり、事業化に選ばれた後もなかなか進まなかったりといった葛藤がありました。
そんな中で、大企業内で新規事業を手掛けるAlphaDriveで学んでみたいと思って出向し、AlphaDrive側から一緒にこの制度を作りました。
藤本様:
土井さんとは同じ思いで別ルートで進んでいたんですよね。僕らも同様の課題認識があって、たまたま出会ったことで実現しました。
目指したのは「社会課題解決」と「人材育成」
藤原様:
土井さんと出会った頃に、AlphaDrive CEOである麻生要一さんの著書『新規事業の実践論』(ニューズピックス、2019年)を読んだんです。「これ凄い!実践してみたい!」と思いました。AlphaDriveさんに出向している社員がいるのか、一緒に事業を生み出す仕組みを作りたい、と。
藤本様:
昨今、SDGsや社会課題にどう立ち向かうか、それをビジネスとしてどう解決していくか、ということが求められています。しかし、社会課題というのは多種多様なステークホルダーが存在し、また、歴史的背景として放置されてきたケースも多く、それら全体像を把握した上で最初にどの一手を打ち込むのかを決断するという極めて難しい挑戦になります。他企業様でも社会課題に対してどう取り組むのか日々悩まれているという話を聞いており、会社としてそこに一歩踏み込むためにより深いプログラムが必要でした。
藤原様:
「社会課題DeepDiveコース」は世の中で増え続けている社会課題を事業として解決したい、しかも一過性の対処療法的なものではなく、持続可能的に課題解決したいというのが一つ。もう一つは人材育成の観点で、次世代のリーダーに必要だと思われる行動力や当事者意識、仲間を作っていくというものです。「人間力」を醸成しながら、社会課題の現場から将来のプロジェクトの種を生み出したい。それがこのプログラムの目的です。
藤本様:
いまトヨタでは「幸せを量産する」ことをミッションに掲げています。我々の所属する先進技術開発カンパニーでは自動運転やAI、新モビリティ等の開発を担っておりますが、「幸せの量産」の実現のためには、従来の枠を超えて新しい領域へ踏み出すことが必要です。従来の「車を製造して販売する」という画一的なビジネスから一歩踏み出すためには、これまでとは違った筋肉を使うことになります。本プログラムは、そのための準備運動であると考えています。
「食」「防災」のテーマで12人を選抜、課題の現場へ
藤原様:
社会課題は無数にありますが、今回テーマとして選んだのが「食」と「防災」。ウェルネス、教育など、他にも色々なテーマの候補はありましたが、重点領域を決めたいと思った時に、自社として解決できる可能性が高く、トヨタの強みを活かせそうな領域に着目しました。
AlphaDriveさんに入っていただいたのは昨年6月。多様なバックグラウンドから50人の公募があり、全員と面談させてもらって、その人の熱意や元々の経験、原体験をお聞きして、走り切れそうな人達を12人、面談で選ばせてもらいました。12人を食と防災で6人ずつに分け、さらに2チームずつ、計4チームに分けました。12人の内訳は30代が多く、一部20代、40代の男女でした。各人がどのようなアイデアを持っているかではなく、その課題にどれほど熱意を持って取り組んでもらえそうか、という観点を重視して選考しました。
秋にキックオフをして、社会課題の構造についてデスクリサーチをした上で、「原体験化プログラム」として社会課題の現場に入りました。「食」のテーマの2チームは兵庫県の丹波篠山へ、「防災」の2チームは長野県の信濃町へ。一昨年に台風19号の被害があった町です。
「トヨタへの本気の期待に応えたい」
中川様:
防災をテーマにしていた私のチームは信濃町に入りました。最前線で課題解決に取り組んでおられる方々にヒアリング、インタビューをどんどんしていきました。初対面の方に、災害の時にどういうことが起こったかを聞いていくのですが、みんなにとっては初めての貴重な経験になりました。
信濃町の町長さんと、同じく台風19号で甚大な被害を受けた長野県小布施町の副町長さんとお会いし、町として災害とどう向き合ってきたかというお話をうかがった時から、みんな一皮むけましたね。
実際に膝を突き合わせ、目を合わせてお話をし、災害に対して本気で取り組まれているからこそのトヨタに対する本気の期待を語っていただいたことで、「本気でこの人たちの期待に応えないと」と思いました。
災害領域で、最終的に僕らのチームが取り組んだのは「雪」の課題。雪国は毎年、大変困っているんですよね。雪の対処に行政もものすごい予算を使っていて、しかも除雪作業は夜中、ものすごい重労働なんですよね。それでも市民のクレームが鳴り止まなくて……。「三方悪し」の状況がもう何十年も続いているという状況をどうにかして解決したい。そんな思いを受け、市民の皆さんの困りごとをどんどん深掘りしながら、行政の負担、業者の負担を軽減しながらやれることを模索しました。
顧客のもとへ300回、徹底的にヒアリングし「見えてきた」
中川様:
僕ら、自動車会社で技術開発部門にいると、お客様と直接出会うことはなかなかないんですよね。僕らが提供しているサービスや自動車をお使いいただいている方はたくさんいらっしゃるものの、本当にユーザーの方々の声を聞くということがほとんどなかったのです。そこが会社としての課題だと思っていました。
今回、社会課題の現場の話を聞くのは初めての経験で、実際、ものすごく体力を使うことだと感じました。入社以来、本気で課題を探すという作業に初めて出会い、もっと知りたいと感じました。
そんな中で、AlphaDriveさんのアドバイスは頼りになりました。とにかく麻生さんの『新規事業の実践論』、みんな読んでいて、「顧客のところに300回行ってヒアリングしないと」と念じながらとにかく現場で話を聞きましたね。300回は最低ラインだという感じで動いていました。このヒアリングの経験は、今後生きてくると思います。
土井様:
現場に足を運んでヒアリングした回数、尋常じゃないですよね。
中川様:
もう頭が煮詰まってきて、次に進めないと思っても、「なんだ、まだヒアリングできるじゃないか」と。各所にアポを取ろうと、とにかくガンガン電話をしました。オンライン、オフライン駆使して、美容室に飛び込んで話を聞いたこともありました。
ヒアリングすればするほど、どんどん「見えてきた」感覚。「顧客のところに答えがある」というAlphaDriveさんの教えは本当に正しいと思いました。鍛えられましたね。
うちのチームは毎週AlphaDriveさんにメンタリングをやっていただいて、それを一つのマイルストーンにしながら、毎回指摘やヒントをもらって方向修正しました。
週1回のメンタリングで鮮やかに、大胆にピボット
土井様:
メンタリングは毎週月曜日朝7時から。各チームは現場や行政機関へのヒアリングでたくさんの情報を集めて仮説を立ててくる。AlphaDriveはその仮説を客観的に見て、「これは事実ですよね」「これはいち意見ですよね」と明確に捌きながら、「この事実から仮設を立てるならこっちの方向ですね」「この辺の検証が足りない」とアドバイスをする。各チームは軌道修正しながらまた情報を集める、というサイクルがうまく回っていましたね。
藤原様:
本人たちは苦しんでいましたが、メンタリングを受けながらピボット(方向転換)していく様子は鮮やかでしたね。AlphaDriveさんの支援があったからこそ、思い切って大胆にピポットできていましたね。他のチームの活動がslack上で可視化されているので、互いに刺激を受ける仕組みになっていました。
藤本様:
強いモチベーションを持ってやっているからこそ、たどり着いた世界があるのだろうと思って見ていました。
誰一人脱落せず、走りきったチーミングの妙
中川様:
どのチームもメンバーの組み合わせがすごく良かった。事務局とAlphaDriveさんがしっかり見てチーミングしているんですよね。どう人選したのでしょう。自分が本業で忙しい時はチームに任せられたし、逆に任せてもらうのもスムーズでした。
土井様:
最終的にはメンバーが話し合ってチームになってもらいましたが、チーミングはAlphaDriveとしても、仮説を立てていた通りになりましたね。最初に選抜する時に、「行動力がすごい人」と、「構造的に整理ができる人」をバランス良くピックアップして、チーミングの予想をしておきました。興味領域の組み合わせも想定し、「この2人が組むと良いね」と。そもそもの原体験や根幹の想い、WILLも近い人という、その軸をすごく大事にしました。
中川様:
誰一人脱落せずに、最後まで走りきったキーポイントが、チーミングの妙でしたね。
土井様:
確かにこのプログラムは誰一人として活動力が落ちないというか、異常な熱量を持ってずっと動いていましたよね。止まっているチームはなかった。
「想定の遥か上、すごい」
中川様:
活動量が落ちてこなかった理由は「DeepDive」のシステムそのものの良さもありましたね。「この領域で何かやっていきたい人」の熱量と、そこにかける想いだけで集まっているので、当事者意識が高いと思いました。人任せにしない。
土井様:
AlphaDriveの麻生さんも、当初からそれはずっと言っていましたね。「選抜型のプログラムの良さは『人』と『想い』だけで選抜するので、どんな方向になっても動ける」という。特定のソリューションをやりたいという人は、例えばAIに関わるソリューションしかやりたくないとなると、AI以外のソリューションにピボットしたらやる気がなくなってしまう、ということが起こるんですが、『人』と『想い』で選抜すると最後まで活動量が落ちない。事業を作るのはやはり「人」なんだなとすごく感じましたね。
麻生さんは「このプログラムは素晴らしいから絶対に残した方がいい」と言ってくれていますね。今年3月の最終審査では「想定の遥か上を行っていて、すごい」の一言でした。
藤原様:
最終審査では2チームが通過し、残りの2チームはプロジェクトとしては終了しましたが、社内の既存部署で継続検討を調整することになりました。
中川様:
私のチームは通過し、現在事業化検討中のフェーズですが、審査会でのフィードバックが本当に勉強になり、気付かされることが多かったです。僕らのアイデアは、レッドオーシャン(競争が激しい)な要素があると指摘されました。「雪道に関わる事業なのだから、トヨタにしかできないやり方で、道路を含めてマネジメントするべきだ」とアドバイスをいただきましたね。
「中途半端には終わらせられない」
土井様:
審査会では、みんな当たり前のように「100回はヒアリングした」と言っていて、すごい状況だったんです。
藤原様:
「当たり前のように言ってるけどすごいことだよ」と麻生さんに言われて。
中川様:
4チームとも、課題の現場の映像がありありと思い浮かぶほどの解像度で、課題や顧客の声が語られていましたね。社員の底力を見ました。
土井様:
他社様の取り組みも見ていますが、今回、どのチームもとんでもないクオリティの発表でしたね。
中川様:
正直なところ、自分のチームが通過してホッとしたのが半分、もう半分は結構悔しかったんです。通過しなかった2チームより僕らが優れているとは全く思えなかったんですよ。全チームとも本当に素晴らしくて、納得感のある課題とソリューションでした。めちゃくちゃ苦労してたのも知ってたので、結構複雑でした。
今後、本当に事業化するかどうかの審査会がありますが、中途半端には終わらせられないと責任を感じています。
自助努力でなんとかなる世界じゃなかった
藤本様:
今回のように、自分事として社会課題に取り組みたい人材を選抜して実践機会を創出するプログラムは今後も継続したいと思います。多くの社員は麻生さんの『新規事業の実践論』を読んで勉強していますが、勉強したからできるわけではなく、お客様の課題を特定しに行く初期のフェーズでも、どのレベル、どの深さ、どの解像度まで落とし込めばいいかはわからず手探りでやっていましたが、自助努力でなんとかなる世界じゃなかった。
実際に事業開発に取り組んできた猛者の方々との壁打ちの中で、現在地と取るべきアクションを確認しながら進めたことが良かったと思っています。それがないと次のアクションが見いだせなくなり息切れしていたような気がしています。
藤原様:
制度設計からAlphaDriveさんに入ってもらったことによって余計なことに時間を使わず、スムーズに進みましたね。社内全体でうまく回り始めているなと今感じています。
一貫したメンタリングと「型」に安心感
中川様:
AlphaDriveさんに入っていただいたことの良さって、メンター全員、言うことが同じなんですよね。事業開発には型があるとはいえ、本によっては書いてあることが違うし、属人化しているのではと思っていました。でもAlphaDriveさんは麻生さんを筆頭に、みなさん本当におっしゃることが一貫していて、何を聞いてもブレない。めちゃくちゃ安心感があったんですよ。
事業ってちゃんと型があるというのが理解でき、信じて前に進めました。そこは一番良かったところだ思います。なぜみんな同じことが言えるんだろう。
土井様:
やはり一番は、そもそもAlphaDriveの全員が、事業開発を経験したことがある人たちなんですよ。全員一度は壁にぶち当たっていて、その乗り越え方もわかっているんですよね。麻生さんや古川さん(AlphaDrive執行役員の古川央士)が打ち手を全部持っていて型になっているので、事例を当てはめていけばいいというところが、AlphaDriveの強みですね。型とデータベースから、自ずと打ち手が導かれるのです。
無力感に涙、「自分ごと化」の瞬間
土井様:
人材育成の観点で象徴的なエピソードとして、原体験化プログラムの最終日に参加者の一人が号泣したことがありました。普段は技能系の現場で働いている社員です。災害の現場に行っていろんな方にヒアリングをして、最終日、みんなで進め方を話している時に、課題の根深さを実感し「俺は何もできない。無力感を知った。絶対俺はこの課題を解決するために動き続ける」と涙したんです。「自分ごと化」の瞬間に立ち合ったという思いでした。
中川様:
ヒアリングの現場では自分の得意・不得意を実感しました。自分にどんな価値が出せるのか悩んだ時期がありましたが、「プレゼンテーション」に強みがあることがわかりました。毎週のAlphaDriveさんのメンタリングは個人に対するフィードバックの場でもあったので、個人としてもスパイラルアップ(継続的に改善・向上すること)につながったと思いますね。
「こんなにパッションと強みを持った人だとは知らなかった」
藤本様:
人材育成という面でも今回のプログラムは有益だったと感じています。プログラム参加者の上長さんへ経過報告に行った際、「本業でのパフォーマンスも向上したと感じる。以前は目の前のことに集中しすぎて周囲が見えていないことがあったが、業務の全体像を見渡たすことができるようになったんだよね」という声を頂きました。
顧客課題に深く入っていくのと同時に、課題が発生している背景や因果関係を突き詰めていく作業を繰り返し実践する中で、ミクロ的視点とマクロ的視点を行き来する力が自然と養われていったのではと思っています。
別の職場からは、「こんなにパッションと強みを持った人だとは知らなかった」と言われたのも印象的でした。現場に赴くことで「私がなんとかしたい」という強い想いが覚醒し、自分自身を見つめなおす良い機会にもなったのだと思います。
大きな組織なので個々人のタレントや強みの「見える化」はなかなか難しい。組織や機能の中で最適化された仕事をしていると、知らず知らずのうちに自分自身を抑え込んでしまう人もいます。しかし、今の時代は「より良い社会をつくりたい」と願う個々人の想いを引き出す機会こそ重要であり、結果的に組織のアウトプットや世の中のためになるアクションが生まれてくるのだと思います。
このプログラムはWILL/MUST/CAN、つまり自分が熱意を持って突き進めること、会社のビジョンの実現に繋がること、そして自分たちが貢献できること、この3つが重なるところを見つけに行く作業。そういったことを日々実践する中で、結果的に本業のパフォーマンスをも向上させるのだという気づきが得られたのは大きかったです。
社内に浸透、「トヨタ生産方式」との意外な親和性
藤本様:
このプログラム自体はいろんな社員が見ているので、結構浸透してきています。「顧客300回」も口々に言われるようになりました。AlphaDriveさんにワークショップもやっていただいているんですが、社員の腹落ち感がすごい。事業開発の考え方が社内に広まってきているという気がしています。みんな一生懸命勉強していますね。
もう一つ、マネジメントレベルの目線からすると、今回のこの新規事業開発はミニマムのリソースでいかにやるかという考えに基づいているので、トヨタで言うと「TPS」、生産ラインのムダを徹底的に排除するために確立した「トヨタ生産方式」の考え方と根底でつながっています。世の中に求められることは何か、その本質を追求することで、ムダな開発に着手することを避けられます。
土井様:
そういう意味でも親和性がありましたね。「リーンスタートアップ」(コストをかけずに最低限の機能の試作品を短い期間でつくり、顧客の反応を見て、より良いサービスを開発していく手法)って、トヨタ生産方式も参考にされながらアメリカで開発されたので、その考え方でトヨタで事業開発に取り組むことはすごく相性が良いんですよね。
新規事業人材が、いつか社内の重要なポジションに
中川様:
事業開発はアイデアがある人のものだという気がしていましたが、「DeepDive」に参加したことで、パッションがある人も取り組めるんだと知りました。元々街づくりにすごく興味がありましたが、それを仕事でやることはこれまで全然考えていなかったんです。でも今、最終審査を通過し、それを仕事でもやっていいよと言われている気がしています。
これからは新たな市場を創造できる人材が求められると思います。ただ、そういった人材は意識的に育成しない限り、いつまで経っても生まれてこない。だからこそ、こういう機会が重要なんだと思います。将来的には、新規事業を起こせる人材が、例えば自動車開発の中心であるチーフエンジニア同様の重要なポジションになっていくと思っています。僕はその時の柱になるような人材になりたいと思っています。
プロジェクト担当者:白杉 大
構成:林 亜季
写真:小田駿一